少し前の自分なら、「ユーモアは最強の武器である」とは思えなかっただろう。不満が降り積もる組織、殺伐としたチーム、楽しく働けていない人々。そんな現場をたくさん見てきた今、ユーモアはひとつの希望なのかもしれないと感じている。
『ユーモアは最強の武器である』は、ユーモアという視点を与えてくれる本だ。この本を読めば、たちまち面白くなるわけではない(そこもちょっとだけ期待していたのだが)。世の中をユーモアという切り口で見て、行動していくことでユーモアは身についていく。
本書には、個人・チーム・組織にあたえるユーモアの効果、ユーモアとは何か、ユーモアのテクニックが書かれている。事例もたくさん紹介されており、特に航空会社のCEO同士がスローガンの権利を巡ってアームレスリングで決着をつけた話はワクワクが止まらなかった。いつか、こんな催しをしてみたいなあ。
ユーモアによる従業員のエンゲージメント向上、チームの創造性や業績アップの事例が多かったように思う。さらに、「よりよい人生」にもつながっていくとなれば、ユーモアを無視することなんてできない。
ユーモアを発揮するには、必ずしも面白いことを言わなくともよい。まずは、陽気さを仕事に持ち込んでいこうと思う。
他の人のジョークを聞いて笑うとか、ぱっと場を和ませるようなことを言うとか、ささいなことでもいい。ただにっこり微笑むだけでも、時に驚くほどの効果が生まれる。─『ユーモアは最強の武器である』より抜粋