世の中の複雑性は、どんどん増していっているように感じる。テクノロジーは進化し続けるし、価値感は細かくなり続けていき、地球規模の問題を真剣に考えなくてはならなくなってきた。
扱うものが膨らみ続けるなか、コーチング的なアプローチで得られるものを人々は求めているのではないか。1/11-13に開催された、RSGT2023に参加してそう感じた。
RSGT、Regional Scrum Gathering Tokyoとは、アジャイルソフトウェア開発のひとつのフレームワークであるスクラムに関する大規模なカンファレンスだ。毎年1月に開催されており、ぼくは4回目の参加となる。
2022年、ぼくはシステムコーチングのトレーニングを本格的に受けはじめた。システムコーチへの道はまだ半ばだが、システムコーチングとアジャイルコーチングの親和性が理解できてきている。もしかすると、このシステムコーチングというハンマーを手に入れたから、全てが関連するセッションに見えたのかもしれない。
システムコーチングの最初の方のトレーニングで一緒だった稲野さんのセッションでは、その親和性は個人や組織の内面を扱うからだと述べられていた。
ぼくもこの点にとても同意できる。内面を扱うことが、チームの自己組織化につながるのではないかと考えているからだ。
どんどん変化していくチームになるためには、定量的であったり客観的な情報だけでなく、定性的であったり主観的な情報も必要なのだ。
個人や組織の内面を扱うのは、kyon_mmさんの「Living Management」や、伊藤さん・熊谷さんの「コアビリーフ・感情・ニーズ」を扱うという部分にも近しいものを感じた。
そして、Day2のKeynote、Lyssaさんのセッションはまさに「コーチング」であった。
Tommy109さんのセッションにもあったように、今のソフトウェア開発では、全てをドキュメントにできないような複雑な要件しかない。それは、ソフトウェア以外でもそうなのだと思う。
複雑なものには複雑性で対応するしかない。多様性が必要不可欠になってきた理由だ。
自分たちはなにものなのか。なにを願い、どのように変化していくのか。それを紐解いていく、コーチングの重要性をあらためて感じた、そんな3日間だった。
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今年からぼくが所属している部署でイベント開催をしていくことになりました。
初回は『「我われはなぜここにいるのか」を描くワークショップ体験!』です。チームの方向性を合わせるためのワークを紹介するので、興味のある方はぜひお越しください!