文章を書くうえで外してはならないのが、「見出し(タイトル)」。これに付随する書き出しを含め、『戦略的ビジネス文章術』では、本の半分ほどを、ここに割いていた。筆者の熱量がページ数からうかがえる。
本文中にも出てくるが、「まずはアウトライン、見出しはあと」と指南している文章術は多い。しかし、うまくいかないことが多々あるのだ。
思えば、ぼくも以前はアウトラインをしっかり書くことから始めていた。うまくいかないことが多かった。
筆者が150人にとったアンケートによると、アウトラインをしっかり作って書くことが苦手な人が、6割だったそうだ。ぼくもきっと、その中のひとりなのだろう。
今は、短い文章であれば、まず見出しをつけて書いている。長い文章やプレゼン資料は、内容を妄想して、あらすじを書き、見出しをつけて、本文を書く。そんな順番で作ることが多くなってきた。
これほど、見出しについて深掘りし、たくさんの事例をふまえながら解説している本は、他にはないだろう。新聞記者という、筆者の属性がそうさせるのかもしれない。
見出しだけでなく、文章を書く流れは、最初から最後まで解説されている。読みやすく、細かいテクニックというより、ビジネスで書くための考え方を知れる。そんな本だった。